タンデム自転車NONちゃん倶楽部10周年企画 サイクルチャレンジ2020in競輪場
2020年9月20日(日)
松山中央公園 瀬戸風バンク中央フィールド
亡きご主人の想いを胸に、体も心もシームレスな社会の実現へ
シルバーウィークの9月20日(日)、心配された天候にも恵まれて「タンデム自転車NONちゃん倶楽部10周年企画 サイクルチャレンジ2020in競輪場」が松山中央公園 瀬戸風バンク中央フィールドで開催されました。
主催であるNONちゃん倶楽部は津賀理事長が10年前に設立したNPO法人。津賀理事長は視覚を失った亡きご主人と「いつかタンデム自転車に乗ってサイクリングする」という夢を抱いていたものの、残念ながら実現できませんでした。その想いがNPO法人設立にいたる原動力となったといいます。
10年前には数台しかなかったタンデム自転車も現在では26台を保有。そのうち15台は一般の方や企業からの寄付で、自転車には寄付者の名前が記載されています。「全国でも有数の規模ではないでしょうか」と津賀理事長は胸を張ります。
元競輪選手もパイロットとして参加
イベントは、ノッてる!ガールズEHIMEの上野里佳さんによる進行で始まりました。津賀理事長の挨拶では「失ったものを数えるな!残されたものを最大限に生かせ!! 」というパラリンピックの創始者であるグッドマン博士の言葉が紹介されました。その言葉は横断幕にもプリントされ参加者の背中を後押しします。
まずは参加者全員で記念撮影。そのあと、BMXショーチーム「LUSH」によるパフォーマンスが行われ、そのアクロバティックなショーに多くの歓声や拍手が送られました。
続いてデモンストレーション走行が行われました。今回は、競輪選手のOB組織である日本名輪会から伊藤豊明さんと三好章仁さんが参加。coドライバーの障がい者の皆さんと一緒に競輪場を駆け抜けました。引退したとはいえ元競輪選手。パートナーを気遣いながらも迫力ある走行で会場の注目を浴びていました。
風を感じ、バンクを駆け抜ける
いよいよ参加者の皆さんによる体験走行。タンデム自転車や競技用車いす、バギーなど様々な形態の乗り物で一周400mの競輪場を疾走します。なかには、最高約35度の傾斜を誇るバンクを利用してスピードをあげる参加者も。障がい者と健常者の皆さんが協力しながら、それぞれの限界にチャレンジ。午後にはタイムトライアルも実施されました。
また、フィールドでは、「遊びのコーナー」が設けられ、バルーン作品づくりや吹き矢、輪投げ、フライングディスクなど様々なレクレーションを体験できるコーナーもあり、多くの参加者でにぎわっていました。
「自転車を走らせ風を感じて走ることができ、爽快でした」と異口同音に感想を述べられる障がい者の皆さん。亡きご主人の想いを受け継いで始まった津賀理事長とNONちゃん倶楽部の取り組みは多くの人々の共感を呼びその輪が拡大。バンクには、秋晴れの空のように、爽やかな風が吹き抜けていました。
参加者の皆さんの声
●渡部さん
今回が3回目の参加になります。普段、車イスだとあまり風を感じることがありません。タンデム自転車に乗って爽快でした。
●山中さん
仲間に誘われて初めての参加になります。競技用車いすに3周、タンデム自転車に2周乗りました。障がい者の方と健常者の方がシームレスに活躍できる社会になれば良いですね。
●石丸くん
風を感じられるのが気持ちイイ。元競輪選手と一緒に走ったのですが、思わず「早く走って、早く走って」と催促しちゃいました。